不動産投資をするなら知っておきたい利回りの種類と考え方

2021/06/21

投資経験のある方や、不動産投資に興味関心がある方ならご存知だと思いますが、「利回り」とは投資金額に対して利益がどのくらいの割合であるかを表したものです。

この利回りにはいくつかの種類があり、不動産投資の収益を表す指標として、物件選びをする際の1つの目安として活用されます。

そこで今回は、不動産投資においての利回りについて押さえておきたいポイントと計算方法をご説明しますので、今後の不動産投資に役立てていただけたら幸いです。

利回りの種類とその意味を理解しましょう

不動産投資の利回りは、購入した物件価格に対して1年間の家賃収入がどのくらいの割合なのかを表していて、物件の収益力を判断するために利用される指標の1つです。

物件情報や比較検討によく利用されている利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。この他にも想定利回りと現行利回りというものがあり、それぞれの特徴は下記の通りです。

表面利回り(グロス利回り)

表面利回りはグロス利回りとも呼ばれ、不動産投資に掛かる諸経費などを一切考慮せずに計算されるため実際の利回りよりも高い数値になります。したがって大まかな収益性を確認するために活用され、下記の計算式で算出できます。

 

表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100

実質利回り(ネット利回り)

実質利回りはネット利回りとも呼ばれ、不動産投資に掛かる維持管理費や税金などの諸経費を考慮して計算されるため実際の利回りに近い数値になります。したがって物件の収益性をより正確に判断するために利用され、下記の計算式で算出されます。

 

実質利回り(%)=(年間家賃収入 - 年間諸経費)÷ 物件購入価格 × 100

想定利回りと現行利回り

物件が空室の場合は、家賃収入が決まっていないので想定として利回りが計算され、これを想定利回りといいます。また表面利回りと同様に諸経費は考慮せずに計算されます。

現行の入居状況での利回りを現行利回りといいます。こちらは諸経費が考慮されている場合とされてない場合がありますので注意が必要です。

この2つの利回りについては1棟マンション・アパートへの投資だと分かりやすく、1棟全てに入居者がいる状態の満室想定での利回りか、現状で空室のある場合、その状況を反映させた利回りなのかを指します。

まとめ

不動産投資の利回りについてその種類と計算方法などを確認してきました。
利回りは一概に高ければ良くて、低ければ悪いとも言い切れません。もちろん利回りが高いほうが、その物件の収益性が高くなるのは事実ですが、物件の種類やエリアによっても大きく異なるため注意が必要です。

当然ですが、不動産投資は借り手がいなければ賃料も入ってきませんので、利回りも借り手が居てこそ現実になります。利回りの数字だけに振り回されず、物件が持つ収益力のひとつの目安として活用することをおすすめします。

 

その他、利回りに関連するこちらの記事もご参考ください。

「不動産投資における「イールドギャップ」という指標」

「不動産投資におけるNOIの考え方とNOI利回り・NOI率の活用方法」

関連記事