管理費・修繕積立金とは ~管理の重要性がわかる1つの例~

2015/09/28

マンション経営を行うと管理費・修繕積立金は必然的にかかってきます。
必要経費とはいえ低く抑えられれば利回りは良くなりますので、単なる出費と考えて負担の少ない物件を選んでしまう方も多いようです。

共用部分などの建物に対する管理費・修繕積立金の使途と管理の重要性を理解していただき、今後のマンション選びと経営のご参考にしていただければ幸いです。

管理費・修繕積立金の違いや使い道は?

マンション経営に必ずかかってくる費用の1つとして、管理費・修繕積立金があります。
入居者が絶えず入ってくれるにはマンションの維持・管理がとても重要で、共用部分が乱れていたり、老朽化が進んでも補修されていないマンションに入居者が来ないのは明らかです。

マンションを維持するために必要な管理費と修繕積立金について簡単にご説明すると、使い道が違います。

管理費とは日々の保守・点検のために必要な費用で、具体的には管理人の人件費や管理組合の運営費、共用部分の修理や運転費がこれに当たります。

修繕積立金とは長期の修繕計画に基づいた定期的な修繕に対する費用や、事故などの特別な事由によって必要になる費用に当てられます。

金額は誰がどうやって決めているのか?

使途は理解したとして、これらの管理費などの金額は過去の実績だったり予測値によって、分譲会社や管理会社が協議にて決めています。

都内のマンション管理費などの平均は、専有面積1平方メートルあたり200円という試算値がありますが、これはあくまでも目安のひとつであり、総戸数や管理内容によって変わってきます。

50戸未満の小規模マンションだと世帯数が少ないためにやや高くなり、大規模マンションだと少なくてすむこともありますが、管理の質を高めたりマンションが大きい分費用もかかることから、300戸程度の大型になると高くなると言われています。

管理費・修繕積立金の妥当性は?

出費は出来る限り少ないほうがいいですが管理費や修繕積立金はマンションの維持に利用され、入居率や資産価値に関わってくるものですので低ければいいというものではありません。

逆に高ければその分良くなるかというとそういうことでもありません。必要のないところまでお金をかけて無駄にするような過剰な管理や、作業費などが比較的高額だったりすることもあるので注意が必要です。

管理費の金額よりも、管理内容と費用の振り分けに注意が必要です。

「ヴィンテージマンション」「レトロブーム」古くなっても価値を維持した成功例

マンション経営をするうえで立地はとても重要なことですが、たとえ東京都心部の一等地に建っているマンションであろうと、管理されずにスラム化したボロボロの建物では入居者はなかなかいません。
逆に築年数が経っていようが、立地が良くしっかり管理されているマンションの空室率は低いという1つの例をご紹介します。

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日本初の民間分譲マンションと言われている「四谷コーポラス」は、1956年に分譲され築60年を迎えようという現在も入居者は絶えず現役で稼働しています。

昔から数十年と長く住んでる方も多いですが、築古のマンションに新しく入居される方は高層階や最新設備よりも古いものが好きだったり、ブームなどから雰囲気を優先して居住する方が多いようです。
雰囲気で決められた方などは一度気に入れば長く住むことが多いのが特徴ですので、時を経て付加価値が生まれることで空室リスクが減るということもあります。

築年数は経っていても管理が行き届いていれば入居率は高く保てている好例です。

投資用物件としても依然中古マンションとして流通している物件ですので、収益を維持できている最たる例として、廃墟や建て替えなどにならずに立地と管理の良さによって資産価値が保たれている証拠です。

まとめ

管理費・修繕積立金の使途を理解し、管理内容や金額の妥当性を把握しておくことがとても大事です。

所有した時には新築や築浅できれいなマンションでも、管理会社や管理組合がマンションとしての価値を保持し、グレードを維持していこうという管理をしなければ、建物は老朽化してスラム化が進み、家賃の値下げもあります。空室になってしまえば長期的に安定した収益は見込めません。

また、売却したくてもなかなか買い手が見つからなかったり、見つかったとしても購入時よりも資産価値が大きく下がってしまいます。

マンションの寿命を延ばし、収益を安定させるにはメンテナンスが重要です。

ご自身の所有するマンションの資産価値を下げないためにも、また購入する際にも管理会社や大規模修繕計画を把握して、マンション経営という事業を成功させましょう。


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