これからの賃貸経営で考えるべき重要なこと

2023/02/06

2023年になり新型コロナウイルスの影響も徐々に小さくなってきた賃貸住宅の動向ですが、コロナ禍前と比較して高まったニーズなどを明らかにしながら、今後の賃貸経営の対策について考えていかなければならない重要なことをお伝えします。

コロナ禍の平均賃料の比較

コロナ禍前の2020年1~3月とコロナ禍の2022年1~3月にSUUMO(スーモ)に掲載された首都圏の賃貸住宅の中で、反響のあった物件の平均賃料の集計によると全体的に上昇トレンドで、上昇率は軒並みプラスとなっていますが、東京都心の1R~1DK(シングルタイプ)のみマイナスとなったようです。

 

上昇額は、1R~1DK(シングルタイプ)で1000円~2000円程度、1LDK~2LDK(カップルタイプ)で2000円~4000円程度、3LDK~(ファミリータイプ)で6000円~1万1000円程度と広い間取りほど上昇率も高い結果が出ていました。

 

コロナ禍前と比較 反響のあった物件の平均家賃上昇率

    東京 神奈川 千葉 埼玉

シングルタイプ

1R~1DK

上昇率 -2.2% 1.6% 2.4% 3.2%
2020年 7.5万円 5.9万円 5.2万円 5.2万円
2022年 7.3万円 6万円 5.3万円 5.4万円

カップルタイプ

1LDK~2LDK

上昇率 1.3% 4.2% 5.5% 4.3%
2020年 13.1万円 9.0万円 7.1万円 7.2万円
2022年 13.3万円 9.4万円 7.1万円 7.2万円

ファミリータイプ

3LDK~

上昇率 5.9% 5.1% 6.0% 6.8%
2020年 19.5万円

13.2万円

10.5万円 10.4万円
2022年 20.6万円 13.8万円 11.2万円 11.1万円

(出所)2020年1~3月・2022年1~3月にSUUMOに掲載された賃貸物件(全種別)より集計

東京都心のシングルタイプが不調の理由

不調の原因は、シングルタイプの三大需要である学生・法人・外国人の入居者が減少したことと、コロナ禍以降の住み替え検討者のニーズが変化したことの2つが考えられるとしています。


ニーズの変化としては、より広い居住空間を求めたり、その結果賃料も上がるため通勤利便性を譲って郊外に住み替える層も増加したことが影響しています。

コロナ禍では、オンライン授業やテレワークがメインとなったことや、外国人に至っては入国も難しい状況となっていたことがニーズの変化につながっていたと考えられます。

今後の賃貸経営の対策は?

コロナ禍も一息つき、シングルタイプの需要も好転してくると予想はされているものの、他の空き物件と比較して魅力的な物件にするための差別化が必要です。
つまり、コロナ禍で需要が高まった設備やサービスの設置などが大切になってきます。

リクルートが実施した「2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、賃貸契約者の設備に関する満足度では、「24時間出せるゴミ置き場」が6年連続で1位で、2位は「宅配ボックス」3位は「オートロック」となっていますが、特に注目すべきは6位にランクインした「遮音性の高い窓」です。

なぜならコロナ禍で住宅にいる時間が長くなったことがこのニーズを高めており、また遮音性や断熱性、気密性などの住宅性能に関しては、居住者の不満が募りやすく、今後の国の施策を考えても重要だからです。

 

賃貸契約者の設備に関する満足度(上位10項目)

1位

24時間出せるゴミ置き場 66.7% 6位 遮音性の高い窓 63.8%

2位

宅配ボックス

66.5%

7位 追い焚き機能付きの風呂 63.7%
3位 オートロック 64.7% 8位 浴室乾燥機 63.4%
4位 非接触キー 64.6% 9位 温水洗浄便座 63.3%
4位 TVモニタ付きインターホン 64.6% 10位 スマートロック 62.5%
(出所)リクルート「2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」より

省エネルギー基準が重要になってくる

2025年からは賃貸住宅においても省エネルギー基準を満たすことが義務化されます。
とはいっても対象は新築賃貸住宅に限られてはいるので、既存の賃貸住宅に今すぐ何か対策を施さなければならないという訳ではないのですが、基準が満たされた新築が増えてくると、基準を満たしていない既存住宅の魅力は下がってしまいます。

エネルギー価格高騰の影響も無視できませんし、電気代や光熱費を気にする入居者からも選ばれる物件になるように、省エネ対策は今後考えていかなければならないテーマとなりそうです。

まとめ

今後の賃貸経営においては、これまで以上にニーズを満たさなければ、入居者から選ばれない状況が増えていくことが予想されますので、先を見越して対応しなければならないと考えられます。

少子化によって学生や新社会人、子育て世帯の割合は減っていくのは明らかですが、その分の空室を埋めてくれるのが、今後もっとも大きな割合を占める高齢者だったり、賃貸需要が回復傾向にある外国人だったりします。
しかし現状ではそのような人々が賃貸住宅を借りづらい状況ではあります。

イマジン・コーポレーションでは、そういった需要にも応えられるように管理体制を整えて対応しています。
賃貸経営についてのご相談はもちろんのこと、投資用マンションの購入や売却など何なりとご相談ください。

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