住宅ローン減税制度の改正ポイントと控除額

2021/09/24

正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、一般的には「住宅ローン減税」や「住宅ローン控除」と呼ばれている制度をご存じの方も多いと思います。

令和3年度(2021年)の税制改正によって特例で13年間の税金控除を受けられるようになり、また新型コロナウイルスの影響で入居が遅れた場合の措置も実施されていますが、その契約期間が迫ってきていますので、今回は住宅ローン減税について説明していきます。

住宅ローン減税制度の概要

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、毎年末時点の住宅ローン残高または、住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されるという金利負担の軽減を図るための制度です。
また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

そして今回の税制改正によって、控除期間の延長と床面積の緩和が実施されています。

特例措置の契約期間と入居開始日について

税制改革によって現在は特例として、消費税率10%が適用される住宅を取得し、契約締結日と入居時期によって住宅ローン控除の適用期間が13年間となります。

契約する物件の種別によって期間が異なるので注意が必要です。
新築の注文住宅の場合、令和3年(2021年)9月30日までに契約を行い、令和4年(2022年)12月31日までに入居した場合は控除期間が3年間延長されます。
分譲住宅、マンション、中古住宅、増築・リフォームなどは令和3年(2021年)11月30日までに契約を行い、入居は新築と同様に令和4年(2022年)12月31日までに開始すれば、控除期間が3年間延長されます。

また現在は、新型コロナウイルス感染症の影響によって入居が遅れた場合に対しても緩和措置が取られており、新築の注文住宅の場合は令和2年(2020年)9月末、分譲住宅などの場合は令和2年(2020年)11月末までに契約を行っていれば、令和3年(2021年)12月31日までの入居で、控除の適応期間が3年延長されて13年間の減税を受けられます。

改正ポイントの主な要件に床面積の緩和も追加

控除期間が3年延長されることに加えて床面積の広さが要件として緩和されています。
改正前まで床面積が50㎡以上だったものが、新築の注文住宅の場合は令和3年(2021年)9月末、分譲住宅などの場合は令和3年(2021年)11月末までに契約した場合40㎡以上が対象となります。
ただし、40㎡以上50㎡未満については、合計所得金額が1000万円以下の年のみ適用です。

住宅ローン減税での控除額のイメージ

住宅ローン減税で控除される金額は、長期優良住宅や低炭素住宅と言われる住宅の性能によって異なってきます。

1~10年目の最大控除額は、一般住宅の場合住宅ローンの年末残高の上限が4000万円で1年間の最大控除額は40万円ですが、長期優良住宅・低炭素住宅は、住宅ローンの年末残高の上限が5000万円と1000万円も高く、1年間の最大控除額も50万円です。

11~13年目の最大控除額は、下記①②のうちいずれか少ない方の金額が3年間に渡り所得税の額等から控除されます。
①住宅ローン残高又は住宅の取得対価(一般住宅の上限4,000万円、長期優良住宅・低炭素住宅の上限5000万円)のうちいずれか少ない方の金額の1%
②建物の取得価格(一般住宅の上限4,000万円、長期優良住宅・低炭素住宅の上限5000万円)の2%÷3

住宅ローン減税が13年間適用される場合の最大控除額は、一般住宅の場合で1~10年目400万円と11~13年目80万円の合計480万円。長期優良住宅・低炭素住宅の場合で1~10年目500万円と11~13年目100万円の合計600万円となります。

それぞれ還付金の上限は決まっていますが、還付金として戻る金額は、住宅の性能だけではなく、借入金や年末の残高、所得などの条件によって変わってきます。

まとめ

住宅ローン減税制度の最大の改正ポイントは控除期間の延長です。その13年間の控除を適用するための契約期日も近づき、駆け込み需要も見受けられるようです。

いつが買いどきなのかは買い手次第というところだと思いますが、現在、住宅取得をお考えであれば、住宅ローン減税の制度や仕組みを理解して最大限活用し、お得にマイホーム取得ができるようにしたいですね。

控除期間延長のポイント

  • 新築住宅の場合、2021年9月30日までに契約し、2022年12月31日までに入居で延長
  • 分譲住宅などの場合、2021年11月30日までに契約し、2022年12月31日までに入居で延長
  • 新型コロナウイルス感染症の影響に対しての措置は、新築住宅で2020年9月30日までに契約済み、分譲住宅などは2020年11月30日までに契約済みで、2021年12月31日までの入居で延長

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