首都圏新築マンションの根強い需要と晴海フラッグの人気

2021/09/10

以前の記事で、新型コロナウイルスの影響を受けて晴海フラッグが今後どう評価されていくかについて書いたのですが、東京オリンピック・パラリンピックも閉会した現在、モデルルームの予約案内も開始した晴海フラッグの動向を含めて、首都圏の新築分譲マンション市況について見ていきたいと思います。

首都圏新築マンションの市況について

不動産経済研究所が発表した、「首都圏新築分譲マンション市場動向2021年7月度」によると販売戸数は1952戸、前年同月は2083戸なので131戸少なく、6.3%減。前月は1939戸なので13戸多く、0.7%増。前年対比での減少は2020年11月以来となっています。

1戸当りの平均価格は6498万円、前年同月は6124万円なので374万円高く、6.1%増。1平方メートル当りの単価は98.4万円、前年同月は91.3万円なので7.1万円高く、7.8%増。
前年同月比では平均価格、平方メートル単価ともに3ヶ月ぶりの上昇です。

販売在庫数は7月末時点で6087戸で前月末より308戸減少しています。昨年同月末と比べると1161戸の減少です。

都区部の市場動向

東京23区の市況は、販売戸数で932戸で前年同月比で25.3%増加しています。また首都圏内でのシェアは47.7%と約半数が23区内という結果です。

1戸当りの平均価格は8319万円で前年同月比3.6%アップ、1平方メートル単価は128.9万円で前年同月比3.5%アップとなっています。

販売物件の価格帯のボリュームゾーンは、1億円以上2億円以下で183戸が最多です。次いで7000万円以上8000万円以下が125戸、8000万円以上9000万円以下が111戸となっており、契約件数も同じ順位になっています。

人気が急上昇している晴海フラッグ(HARUMI FLAG)

東京オリンピック・パラリンピックの選手村として利用された晴海フラッグが、その役割を無事に終えて販売活動が再開されました。

11月中旬の販売開始を前にモデルルームの予約案内を開始しましたが、Web予約700席が30分で埋まってしまい新規受付ができない状態になるほどの人気だそうです。
また、資料請求はオリンピック前まで1日700件だったものが、終了後には1日1000件まで増加しているそうです。

11月中旬に販売する戸数は未定としていますが、専有面積61~116平方メートルで、価格は4900万円台から2億2900万円台と、販売予定時に公表した価格を据え置いていることも購入者の需要をひきつけているようです。

2020年東京オリンピック・パラリンピックの延期に伴って販売や引き渡しも延期となり、その異例の事態ゆえ、既に契約している方も白紙撤回が可能としていましたが、キャンセルもほとんど出ていないと伝えられており、晴海フラッグはオリンピックレガシーという付加価値以上に、東京都中央区という立地と、新しい街の価値が魅力となっているようです。

まとめ

新築マンション市場が活発に動き出してきて、販売在庫も圧縮しながら販売戸数も増やしていき、平均契約率も安定してきているとのことです。
価格動向も大きな障壁とならずに需要の根強さが表れていると考えられ、供給各社は強気の構えが目立っているようです。

特に晴海フラッグは選手村として利用され、全国的にその名が知れ渡り注目されているので、好調さも目立っています。
建物が高品質なのに坪単価は安く、立地の利便性と資産性を求めた動きで都心物件の需要の強さが現れていると思います。

低金利と住宅ローン減税が購買意欲を後押しし、コロナ禍がライフスタイルの変化とその対応で需要を押し上げていることもあり、今後大きく崩れる要因は見当たらないという意見もあるようですが、経済の減速や家計への影響も予想されるため、購入には注意も必要だと考えられます。

また、不動産投資においても、新築市場の動向は中古市場にも影響を及ぼすため注意が必要です。

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