新型コロナウイルスの影響によるマンション市場は?

2021/03/19

新型コロナウイルスの影響が国内に拡大しだしてからすでに1年以上経ち、いまだその影響はさまざまな方面で甚大な被害をもたらしています。
不動産業界に対する影響も無視できず、すでに不動産を所有されている方や、これから売買を考えている方も気になるところだと思います。

コロナ禍での不動産市況の変化について、売買動向や賃貸需要に関する記事を数回に渡ってお伝えします。ぜひ参考にしてください。

 

コロナ禍で成約件数は減少も、単価も価格も8年連続で上昇

公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した「首都圏不動産流通市場の動向(2020年)」によると、2020年における首都圏中古マンションの成約件数は35,825件(前年比6.0%減)で、2年ぶりに前年を下回りました。

成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で55.17万円(前年比3.2%上昇)で、8年連続の上昇。この8年で44.5%上昇しています。

成約物件価格は3,599万円(前年比4.6%上昇)で、1㎡当たり単価と同様に8年連続で上昇。

成約物件の平均専有面積は65.24㎡(前年比1.3%拡大)と2年ぶりに拡大、平均築年数は21.99年(前年21.64年)で、 経年化が進んでいます。

 

中古マンションは築年数から見ると築25年以下で需要が高い

上記と同じく、東日本不動産流通機構が公表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」によると、中古マンションの平均築年数は成約物件が21.99年、新規登録物件は26.83年で、5年連続で前年に比べて乖離幅が拡大しています。

築年別の構成比率をみると、中古マンションの成約物件は築5年以下、築21~25年、築30年を超える物件の比率が拡大しており、築6~20年、築26~30年は縮小しています。

築25年以下は成約物件の構成比率が新規登録物件の構成比率を上回り、需要が高くなっています。

 

高値が続く首都圏のマンション価格はどうなる

不動産価格は年々上昇しており、特にマンション価格は2013年のアベノミクス以降右肩上がりを続けています。

コロナショックの影響を受けて不動産価格も下落するだろうとの見方も多く見られていましたが、新築・中古ともにマンションの平均坪単価は上昇し、価格は高止まりをしています。
マンション価格は新型コロナウイルスにあまり反応しておらず、価格への影響は限定的だと考えられそうです。

しかしながら供給への影響は顕著で、モデルルームを閉鎖したり対面での販売活動を自粛するなど、新築マンションの供給量は大幅に減少し、2020年の年間供給戸数は1992年以来29年ぶりに4万戸を下回りました。
東京都の中古マンション流通事例についても大幅減の前年比マイナス10%となっています。
中古マンションは、都心部を中心に築浅物件の需要が高まっており、需要に対して供給が追いついていない状況だと言えそうです。

供給量は新築・中古ともに減少しているが、ニーズは高まっているため今後も大きく価格が下落することもなく、価格上昇が続くと予想されています。

 

まとめ

新型コロナウイルスにより先行きが不透明ななか、経済活動の自粛などによって実体経済は大きなダメージを受けていますが、首都圏のマンション価格への影響は軽微で、需要の高さのほうがマンションの資産価値に寄与していると考えられそうです。
しかし、今後も市場が堅調とは限らず、どこからどのような影響があるかわかりません。
ワクチンが広まり新型コロナウイルスが収束に向かうなかでも、不動産市場の動向を注意深く見ていく必要がありそうです。

次回は、不動産バブルとも言われている状況を深堀りし、マンション市場だけではなく注目されている不動産市況についてお伝えします。

 

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