マンション経営で節税するために計上できる経費の種類とは

2015/09/29


マンション経営を行うと節税ができるというのはご存じの方が多いと思いますが、その節税を行うためにどこまでが経費として計上できるのかについては具体的に知らない方もいらっしゃるようですので、悩まれている方のために今回はマンション経営における主な経費の種類をお伝えします。

適正な経費を計上して節税する

サラリーマンの方でも不動産投資を行い家賃収入を得ると確定申告が必要になってきますが、その内容や計上できる経費の種類を具体的に知らない方が少なくありません。

不動産投資で得た収入には給与所得と同じく所得税がかかります。
不動産で得た収入から必要経費を差し引くことで不動産所得が算出され、それに所得税率がかけられることにより納税額が決まってきます。
したがって、必要経費によって納税額が増減します。

そうなると経費として認められるのはどのようなものかという疑問が湧いてくると思います。
簡単に説明すると、事業的規模ではない(5棟10室基準を満たしていない)場合は不動産投資に関わる「直接経費」がこれに当たります。
「直接経費」とは不動産投資に直接的に関連している費用のことです。
具体的にはどのようなものを計上できるのか、代表的な項目を次に説明していきます。

1. 管理費

マンション経営を行うと保守点検などの建物管理や、入居者募集や家賃集金の賃貸管理業務が発生しますが、ほとんどの方は委託していると思います。
この建物管理会社や賃貸管理会社に支払っている費用を管理費として経費計上することができます。

2. 修繕費

修繕費として経費計上できる範囲は、原状回復にて行われる範囲内です。
具体的には

・外壁やベランダの塗替え
・ドアや床、室内設備の補修
・畳の交換
・襖や障子の張替え

これらが経費として計上できますが、建物の資産価値や耐久性を高めるような改装などは「資本的支出」となり経費として認められません。
修繕費と資本的支出の線引が難しいのですが「ひとつの修理・改良等のために要した費用の額が20万円に満たない場合」は修繕費として計上できます。

3. 修繕積立金

建物全体の大規模な修繕のために積み立てている費用も経費として計上できます。
不動産売却時に積立金をオーナーへ返却するところもありますが、この場合経費として計上できませんので管理組合の規約を確認しておきましょう。

4. 保険料

万が一に備えて保険に加入する方がほとんどですが、火災保険や地震保険などの損害保険料は経費として計上できます。
また、不動産購入時のローン保証も必要経費として計上できますが、金融機関によっては利息に含めていることがあるので確認が必要です。
なお、仮に10年分を一括払いしても経費として計上できるのは当年度分のみですのでご注意ください。

5. ローン返済の利息部分

不動産を購入する際に金融機関から融資を受けた場合、そのローン返済の利息部分が経費として計上できます。しかし、借入金の元本部分は経費になりませんのでご注意ください。

6. 租税公課

不動産投資でかかってきた税金は経費として計上できます。

・不動産取得税
・固定資産税、都市計画税
・印紙税

事業的規模であれば事業税も計上できます。
所得税、住民税は計上できませんのでご注意ください。

7. 減価償却費

減価償却費は取得価格と耐用年数に応じて計算され、経費として計上できます。
計算方法は、取得価格に法定耐用年数に応じて定められた償却率をかけて算出します。

減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」の2種類があるのですが、平成10年4月1日以降に取得した建物については「定額法」のみが定められています。

8. 税理士に支払う手数料

確定申告についてやり方がわからなかったり、忙しい方などは税理士に任せていることが多いと思いますが、この税理士に支払う手数料も経費として計上することが出来ます。

依頼内容やタイミングなどにもよるようですが、1回5万円~10万円程度が相場のようですので、これが経費に計上できると大きな節税になります。

9. 登記費用

不動産を購入した際に登記を行った年にしか計上できませんが、登記にかかった費用も経費として計上できますので忘れずに計上しましょう。

10. その他(旅費交通費、通信費、新聞図書費など)

上記以外にも所有物件までの交通費や、管理会社や税理士との連絡に使用した通信費などは経費として計上できます。
その他にもマンション経営のための勉強や情報収集のために購入した書籍代やセミナー参加費なども経費として計上できます。

まとめ

ここまで不動産投資で計上できる経費の種類をお伝えしました。
線引がわかりにくい項目もありますが、大前提として経費と認められるのはマンション経営に直接関係するものです。

節税のためにとなんでもかんでも経費に計上すると、あとで認められなかった時に追徴課税という事にもなりかねません。
逆に知らなかったばかりに計上できる経費を含めないで申告してしまいますと損をしてしまいます。

適正な申告をできるように、経費に計上できる種類と内容を理解して確定申告の時期に慌てないように準備をしていきましょう。
また、忙しく煩わしい作業が嫌な方や不安な方は、相談もできてその費用も経費に計上できるので、税理士などのプロに依頼してしまうのもいいと思います。

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