欧米と日本の中古住宅の違い・展望

2018/05/17



こんにちは、ネガティブ営業サポートです。

みなさんは、自分が住む家を買おうと思ったら、新築住宅を選びますか?
それとも中古住宅を選びますか??

私はやはり新築に住みたいと思ってしまいます。
新築のほうが長持ちしそうですし、どうしても一度人が住んだ家を買ってまで住みたいとは思えず・・・(すみません 汗)

しかし最近、日本の中古住宅の流通量が話題になっています。

欧米に比べ日本の住宅流通量の中古住宅の占める割合はかなり低いものとなっています。
アメリカでは住宅全体における中古住宅の割合が8割近く、イギリスでは9割近くを占めるのに対して、日本ではわずか3割ほどとなっています。
同じ先進国の中でも、日本だけ中古住宅事情は大きく遅れています。

なぜ日本では中古住宅の流通量が少ないのでしょうか。


欧米と日本の中古住宅に対する意識の違い


中古住宅を購入しない理由を国土交通省がまとめています。


1位・・・新築の方が気持ちがいい(57.8%)

2位・・・リフォーム費用などで割高になる(29.2%)


3位・・・隠れた不具合が心配だった(28.5%)


4位・・・耐震性や断熱性など品質が低そう(27.9%)


5位・・・給排水管などの設備の老朽化が懸念(17.9%)



まずは「新築の方が気持ちがいい」という心理的な抵抗感が圧倒的に多く、次いで「リフォーム費用で割高になる」「隠れた不具合が心配」「耐震性や断熱性など品質」「給排水管などの設備の老朽化」といった構造や性能への不安があがっています。

はい、私もかなり納得の理由です。

この背景には、まず木造文化を築き上げた日本では「住宅はいつか朽ち果てるものだから、都度建て直すもの」という意識が強く残っていることが言えます。

また戦後の日本では圧倒的に住宅が不足し、「質より量」が重んじられてきました。
「かつての住宅の質の低さ」も中古住宅に対するイメージの低下を招いています。

地震大国であることから、より耐震基準の高いもの→「新築住宅」へ目が行くというのも、自然な事なのではないでしょうか。

それに対し、地震の少ない欧米では石造文化が主流で、「住宅は永続的に残るものだから、改良して使い続けていくもの」と考える人が多いようです。
この違いが日本では新築重視、欧米では中古重視の傾向につながっているのでしょう。


これまでの日本の中古住宅市場


市場では住宅は土地の価値に重きを置き、建物に関しては約20~25年で価値は0となり、古い建物は取り壊し、更地や新築物件として販売した方が高く売れるという常識が昔からありました。
例えば築10年の中古住宅を購入しそこに15年住み、その後なんらかの理由で売らなくてはいけなくなった場合、評価は土地のみ、という事態になりかねないのです。
(戸建とマンションではまた変わってきますが・・・)

それに比べ欧米では、建物が古くなっても価値は下がらないどころか、かえって価値が上がる場合もあります。

ちなみに私が新築住宅が良いと思ってしまう理由としては、購入手数料の違いもあります。
一般的には新築住宅購入時(マンションの場合)には物件価格の2~5%、新築戸建、中古住宅購入時(マンション、戸建)には5~8%の諸費用がかかり、中古の方が購入時に多額の現金の用意が必要と言われます。

このように、中古住宅購入に二の足を踏む理由が、日本の住宅市場には多々あるのです。


中古住宅市場の今後の展望


しかし、近年、中古住宅の流通量の増加が目立ってきています。
「リノベーション」も一般的になり、当たり前にメディアにも取り上げられています。

人口減少に伴い住宅不足が解消し、「質より量」から「量より質」へと市場も変貌を遂げています。
「100年住宅」といった言葉も耳にするようになりました。

またCO2削減など地球環境を考えるうえでも住宅政策の見直しが迫られており、この流れを受けて政府としても、優良な住宅ストックの形成を後押しし、中古市場の活発化に今後さらなる力を注ぐ方針です。

中古住宅の活性化に向け、インスペクション(建物状況調査)に係る宅建業法の改正が行われ、平成30年4月に施行されました。
具体的には、不動産業者が売主に対し、媒介契約時、売買契約前の重要事項説明時などにおいて、建物がホームインスペクションを受けた履歴があるか、実施する意向はあるか、を確認することになります。
これにより中古住宅の取引をよりスムーズに安心して行えるようになります。

今、波は新築住宅から中古住宅へ向かって流れています。
欧米のように、中古住宅先進国へと発展する日も近いのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^(E)

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