低金利とインフレについて考えてみたら、資産運用として不動産投資が最適だった(Part 1)

2015/12/23

日本時間の17日午前4時に米国ではFRB(米国連邦準備理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げを発表し、0%~0.25%から0.25%~0.50%の引き上げとなりました。

FOMCとは、米国の金融政策の最高意思決定機関であり政策金利であるFF金利の変更や、今後の政策方針などが決定されるため、世界的にも注目度の高い会合です。

そのFOMCで利上げされた「FF金利」とは、日本でいうところの「無担保コール翌日物」であり、短期金融市場の誘導目標としての政策金利です。

今回の政策金利の引き上げについては好感されている向きが多いようですが、中国経済の減速、ECB(欧州中央銀行)の追加緩和、原油価格の下落など世界経済が不透明な中での利上げで、日本政府は今後の政策にも慎重な対応が迫られることもあると思います。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は日本経済の現状について考え、将来に向けての資産運用に関する解説を3回に分けてお伝えしていきます。


日本経済の政策は?

日本政府はバブル崩壊後、景気回復のため低金利政策を行ってきましたが、経済が回復の兆しを見せ、今後もゆるやかに回復基調を示していくと言われている現在も金利は低く抑えられています。

超低金利に保ちつつインフレターゲット2%を目標に、安倍首相の「アベノミクス」と黒田総裁の「黒田バズーカ」にて異次元の金融緩和政策を進めている現在の状況下で私達の生活はどうなっていき、どうしていけばいいのか、それこそ不透明でよくわかりません。

ということで、まずは今回のキーワードである「低金利」と「インフレ」についてご説明します。


低金利のメリット・デメリット

金利が低いということは、金融機関にお金を預けても全然増えないということであり、逆にお金を借りた時には総返済額が少なくて済みます。

例えば、退職金などの資産運用を預貯金だけに頼っていたり、預貯金を取り崩して生活している年金生活者にとっては利子がほとんどつかないので資産はどんどん減っていき、よりゆとりのある生活はできません。

逆に住宅ローンを組んでマイホームを購入する家庭やその他の大きな借り入れなどがある場合には金利が低いことは総返済額が少なくなるので家計は助かります。

ということは借り入れをして運用することが賢く、借入金利以上の利回りで運用できれば収入ができるということです。

借入金利が5%だったら5%以上の利回りを得なければプラス収支にならないので、低ければ低いほど収益を得るハードルが下がります。

低金利であることは、借り入れの総返済額が少なくなることもひとつのメリットですが、その借入金で資産運用する際にもメリットがあるといえます。


インフレのメリット・デメリット

インフレとはモノの価値が上がり、相対的にお金の価値が下がることであり、簡単に説明するとモノの値段が2倍になれば、お金の価値は1/2になってしまうということです。

景気の良かったバブル期の頃でも自動販売機で缶コーヒーが100円で買えていたものが、バブル崩壊後の経済下で110円~120円。今では130円出さなければ買えません。

同じ100円を出しても、30年前と同じ缶コーヒーが今では買えないのです。
すなわち100円の価値が下がり、缶コーヒーの価値が上がったといえます。

お金(現金資産)の価値が下がり、モノ(実物資産)の価値が上がる。
これがインフレです。

また、お金の価値が下がるということは現金資産は目減りしてしまうということですが、同じお金である借金にも同じことがいえます。

30年前に借りた100円で当時は缶コーヒーが買えましたが、今ではその借りていたお金で同じ缶コーヒーを買うことができないということは、その借金の実質価値が下がったということです。
インフレに向かうと仮定すれば、借金をするなら早いほうがメリットがあるといえます。


まとめ(Part 1)

低金利
・預貯金では資産は増えない
・借金の総返済額が少なくなる
・借り入れでの運用収益が上げやすい

インフレ

・お金(現金資産)の価値が下がる
・モノ(実物資産)の価値が上がる
・借金の実質価値が目減りする

今回は資産運用を考えるにあたって、低金利とインフレについてご説明させていただきました。

次回の「低金利とインフレについて考えてみたら、資産運用として不動産投資が最適だった(Part 2)」では、政府がとっている政策と今の日本経済についてお伝えしていきます。

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