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2017/10/04

不動産業界にもIT化の波が。「IT重説」って何?

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AI、IoT、FinTech、VR、AR・・・などなど、これらのキーワードを見聞きしない日がないくらい、最近ではさまざまな業界、分野でIT化が進んでいます。

不動産業界はIT化が遅いと言われていますが、国土交通省が2015年8月から社会実験を実施していたIT重説に関して、この度、2017年10月1日より賃貸取引の本格運用が開始されました。

今回は、不動産取引には欠かせない「重要事項の説明」とそのIT化についてお伝えします。


そもそも重説とは?

「重説」=「重要事項の説明」とは、宅地建物取引業法において定められており、不動産取引の際に宅地建物取引士が、買主・借主に対して、適切な判断ができるように物件と契約内容に関する重要事項を記載した書面を交付して説明することです。

簡単に説明すると、例えば家を借りる時に不動産屋に行き物件を決めた場合、宅建士がその物件と契約に関して大切なことを説明してくれて、双方で記名・押印し契約に進みます。
この重要な項目を説明することが業法で定められています。

そして、必ず対面で行われる事となっていました。


では、「IT重説」とは?

不動産取引において避けて通れない「重要事項の説明」ですが、必ず対面で行われてきました。
しかし、地方への転勤や進学に伴う上京など遠方から部屋を探す際には、時間や交通費などいろいろと面倒な手間が掛かっていました。

しかし、インターネットの発達や普及により、ITを活用したテレビ会議などで対面以外の方法が模索され、IT重説の本格運用が現実的になってきました。

IT重説を行うには、対面と同様に説明・質疑応答が行える双方向性のある環境が必要ですが、メリットとしては、直接不動産会社に赴く必要がなく、双方のスケジュールが合えば早朝だろうと、深夜だろうと自由です。また、代理人でも説明を受けられ、環境さえ整えば自宅以外でも受ける事ができます。


IT重説の位置づけと実施要件

今回本格運用となったIT重説を行えるのは、賃貸契約に関する取引に限定されていますが、不動産業課長通知の要件を満たせば、宅建業法第35条に規定されている重要事項説明と同様のものとして扱われ、事前登録不要で全ての宅建取引業者、宅建士についてIT重説の実施が可能です。

では、その要件を簡単に説明すると
1.双方向性のあるIT環境
2.事前に重要事項説明書を送付していること
3.説明前に説明を受けられる状態、環境であることを確認すること
4.宅地建物取引士証を提示し、相手が画面上で確認できていること

上記事項の全てを満たしている場合に限り、重要事項の説明と同様に扱われますが、説明中に映像が視認できなかったり、音声を聞き取ることができない状況になった場合、直ちに中断し、状況が解消された後に再開しなければなりません。


それで今後はどうなるの?

今回の本格運用は賃貸契約に関する取引に限定されていますが、法人間売買取引についても社会実験の継続実施が行われています。
個人を含む売買取引については、賃貸取引の本格運用の実施状況と、法人間売買取引の社会実験の結果を踏まえて検討するそうです。

IT重説が今後どのくらい普及していくかはわかりませんが、双方の時間やコストの負担が軽減されることは確かです。
お客様に対して負担のない選択肢を増やせることはサービスとして有効ですし、IT重説を行える不動産会社としてもメリットは大きいです。
しかし、まだ顕在化されていないトラブルなどもあるかと思いますので、運用には注意しなければならないと思います。


まとめ

不動産業界はITの導入が遅いと冒頭でもお伝えしましたが、日本の不動産市場は特に顕著です。

不動産取引においてIT化されているのは重要事項説明のみ。しかも賃貸契約に関する取引に限ってです。しかし、将来的には情報がオープンになっていき、さまざまな過程や契約そのものがインターネット上で完結する日が来るかもしれません。

現にテクノロジーの進化に伴い、凄まじいスピードでIT化の波が押し寄せてきています。
Real Estate Tech(リアルエステートテック)、不動産テックという言葉が生まれているように、新しい仕組みや不動産サービスが考えられています。

効率化を図り、いろいろなものが便利になる世の中で、インターネットに頼りすぎるリスクも潜んでいると思いますので、提供者としても利用者としても見極めて利用しなければなりませんね。

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