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2017/09/08

5分でわかる。配偶者控除と配偶者特別控除の改正

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平成29年度の税制改革等により、配偶者控除及び配偶者特別控除の改正が2018年1月より適用されます。

改正により、今後も同じ働き方で減税になるのか。それとも見直しが必要なのか。
どのような仕組みに変わり、世帯にとってどのような影響があるのか知らなければうまく対応できません。

そこで今回は、控除についてポイントを絞り、簡潔にお伝えします。


配偶者とは?控除を受けるその条件

配偶者控除、配偶者特別控除、どちらも配偶者とあるように配偶者でなければ適用されません。
そもそも配偶者とは婚姻関係が前提であり、婚姻届を提出して法律的に夫婦と認められていることが条件です。つまり、内縁関係や事実婚などは控除の対象とはなりません。


配偶者控除の対象となる条件
  1. その年の12月31日で、民法の規定による配偶者であること
  2. 納税者と「生計を一」にしていること
  3. 給与年収が103万円(合計所得38万円)以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けておらず、また白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者特別控除は、配偶者の所得が38万円を超え配偶者控除を受けられない場合に、配偶者の所得に応じて一定の控除が受けられる制度ですが、当然条件も設けられています。


配偶者特別控除の対象となる条件
  1. 配偶者控除の対象となる上記条件の1、2、4に当てはまること
  2. 他の人の扶養親族となっていないこと
  3. 給与年収が103万円(合計所得38万円)超、141万円(合計所得76万円)未満であること
  4. 控除を受ける人の給与年収が1,220万円(合計所得1,000万円)以下であること


上記は現行の制度での適用条件です。
この条件が改正後どのようにかわり、世帯に対して影響を及ぼすのかご説明します。


改正のポイント

20170908_02.jpg
出典:国税庁「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて」

上図をご覧になっていただくと分かる通り、配偶者控除に関しては図を見る限り変化はありません。
配偶者の年収103万円に対して控除額は38万円のままです。
対して配偶者特別控除に関しては、配偶者の年収が150万円まで38万円の控除が受けられます。
それ以上になると段階的に減額しているのが分かります。


それであの壁はどうなるの?

配偶者の年収が103万円を超えた場合、配偶者控除ではなく、配偶者特別控除が受けられ、現行の配偶者控除と同額の38万円が、年収150万円まで拡大します。

そして、納税者本人の収入によって段階的に控除額が決まる配偶者特別控除は、現行で年収141万円までだったものが、年収201万円まで受けられるようになりました。

いわゆる103万円の壁が150万円の壁へ、141万円の壁は201万円の壁へと拡大するということです。


拡大だけではない、改正の落とし穴

上記の説明だと、控除は拡大のみされたように感じますが、実際には納税者本人に収入制限が設けられ、以下の表のとおり、給与収入(所得合計)に応じて控除額が減額・消失します。

20170908_03.jpg
出典:財務省「平成29年度税制改正」(平成29年4月発行)

配偶者の給与収入150万円(合計所得85万円)までは、現行の配偶者控除と同額の38万円が受けられます。
しかし、納税者本人の給与収入が1,120万円(合計所得900万円)を超えると、配偶者控除の金額が26万円になり、給与収入が1,170万円(合計所得950万円)を超えると13万円、給与収入が1,220万円(合計所得1,000万円)を超えた場合、配偶者控除は受けられなくなってしまいます。

従って、配偶者控除は縮小されたことになります。
給与収入が1,120万円を超える高所得者世帯にとっては、現行の制度と比較すると増税になります。

配偶者特別控除に関しても同様の収入制限があり、給与収入によって段階的に減額され、配偶者の給与収入が201万円(合計所得123万円)を超えると控除額は消失します。


まとめ

簡単にまとめると、今回の改正によって103万円の壁は150万円の壁になり、141万円の壁は201万円の壁となります。
しかし、納税者本人の収入制限が設けられたことにより、控除額が、減額または受けることができなくなるため、高所得者世帯では増税となるケースもあります。

配偶者が今までの働き方と同様の場合、世帯によっては増税する場合と減税する場合があります。

また、配偶者の働き方に関していえば壁を意識せざるを得ないですが、控除の壁以外にも、住民税の壁と言われる100万円の壁や、所得税が課税される103万円の壁。
社会保険での扶養範囲である130万円の壁(一部の人は106万円の壁)もあり、世帯によって損得のボーダーラインが複雑化します。

将来的には拡大していくであろう女性の社会進出や、働き方改革などの政府が推し進める施策によって制度が見直され、「配偶者控除」「配偶者特別控除」の廃止や、「夫婦控除」の再検討が考えられます。

今回の改正を踏まえ、世帯として今後を見据えた働き方を考えていかなければなりません。


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